Ender2戦線
この記事はCPS Lab Advent Calenderの7日目の記事です。6日目は デルタ型3DプリンタBIQU Magicianの話 8日目は Thinkpad x230でhackintoshを作ろうとしてこけた話
2日続けて3Dプリンタネタが続いてしまいました。 研究室に届いた3Dプリンター、Ender2の組み立てからプリント、問題解決の記録についてまとめます。
出会い
Ender2と出会ったのは10月が終わりに差し掛かった時です。
有志のB3・B4で3Dプリンターを組み立てる事となりました。
昨日のアドベントカレンダーでも登場しました、HICTOP 3DP-21 ENDER2です。
HICTOP Portable 3D Printer DIY Kit with Heated Build Plate, Includes M - Hictop 3d printer
組み立て
このプリンターは海外製で、日本語マニュアルは付属していません。
その代わりでもないですが、組み立てビデオが付属しています。組み立て経験者もいなかったため、これを見ながら組み立てます。
雰囲気でやっていきます。
プリント
さっそくプリントです。
CuraというCADソフトを使用し、サンプルモデルをプリントします。Curaの設定はEnder2に付属pdfを参考に合わせます。 始動。
そして、完成。
なんだこれ。
後日、先輩が再度プリントを試みたところ、以下のようになんとか形を維持する事はできました。かわいい。
でも、このままでは実用できません。
フィラメントが上手く載らない
この問題は、ベッド(青い板のところ)とノズルの間隔が空きすぎていて、溶けたフィラメントが正常に載らないためでした。逆に近すぎていても、正常にプリントする事はできません。
Ender2のベッドには3つのネジがついていて、それらを回す事で高さを調整する事ができます。 PrepareからAuto Bed Revelingを選択し、ノズルとベッドの間隔を見ながらネジを回していきます。ベッドとノズルの間に紙が1枚入る程度が良いようです。
4角形の台を3つのネジで調整するのが難しい。
先輩に神調整をして頂いたあとの作品です。
素晴らしい。
ばかみたいに調整を繰り返していると、調整術が身につきます。
これで問題解決と思いきや、幾多の問題が。
プリント中にノズルが宙に絵を描く
プリントしていると、ある時間からフィラメントが出なくなり、虚空にプリントしだすようになります。
原因の1つとして挙げられたのが、Y軸アームです。 Y軸を固定するネジの1つが正常に固定されておらず、ガタついている状態でした。一度分解し、組み立てます。
ここでの注意は、ネジをしっっっかりと締め付ける事と、ベルトをピンと張らせる事です。アームの先の取り付け方でベルトのゆるみが調整できます。
これにより、プリント中のY軸アームのガタつきは改善されました。 ただ、フィラメントの詰まりは改善されませんでした。
溶けたフィラメントが詰まる
これが一番つらく時間のかかった問題です。30分程度のプリントは正常に完了するものの、ある時点でフィラメントが詰まり出なくなります。
詰まったら、フィラメントを押し出して詰まりを解消してあげます。
この問題を解消するため、幾つか解決案を試しました。
試したこと1 :プリント温度を上げる
とりあえずプリント温度を上げてみます。適正温度はPLAフィラメントは約190℃、ABSフィラメントは約220℃程度ですが、PLAフィラメントで240℃で印刷しました。
結果からいうと、これで詰まるまでの時間はかなり解消されました。ただ、ABSフィラメントではより高い温度が必要になるのと、ふとした時に何故か詰まってたりして、根本的な解決にはなりませんでした。
この時産まれたドロイドくんと仲間たち。
試したこと2 : ファン交換
いつの間にかファンが割れていて、本体がひどく振動していました。
正常に冷却できていない可能性があるため、Amazonから4mm x 4mm のファンを購入し、交換します。
振動は解消されたものの、詰まりは解消されませんでした。
試したこと3 : ノズルの洗浄
HICTOPサポートと連絡をとり、ノズルをクリーンにする事にしました。 一度分解し、ノズルを取り外します。 アセトンに2日ほど漬けて、付着したフィラメントを溶かします。再度組み付けます。
テストプリントしていたら、また詰まりました。
試したこと4 : 油壺の取り付け
油壺を取り付けると良いという情報をいただき、早速取り付けます。油壺についての詳細は以下をご確認ください。
3Dプリンターノズルつまり解消の基本技!! 「油壷」を解説するよー!!
それでもフィラメントは詰まります。ただ、油壺があると詰まりが解消しやすい気はしました。
ロボットも祈りながらプリント完了を待ちます。
祈りも虚しく、途中で詰まって終了。
試したこと5 : テフロンチューブを奥まで挿す
結論から言うと、これで解消しました。
HICTOPサポートとHICTOPエンジニアの方から、テフロンチューブ(フィラメントが通る白いチューブ)が上手く挿さっていない可能性があるので、一番奥まで挿してみてほしい、という提案をいただきます。
あらかじめ詰まりをキレイに取り除き、かなり力をかけてチューブを奥まで挿し込みます。
プリントすると…問題なくプリントできました。
その後、3時間に及ぶプリントも完了することができました。
テフロンチューブとノズルの間に隙間ができ、そこに詰まっていたのではないかと考えています。
結論
- テフロンチューブは奥までしっかり挿しこむ
- ベッドとノズルの調整をしっかりする
- 各ネジはしっかり締め付ける
- 困ったらサポートに確認してみる
思ったこと
研究室に入ってから一番多くの知見を得られたのが3Dプリンターな気がする。
HICTOPテクノロジーは24時間以内に必ず返信をするとしていて、サポートが手厚いと思った。一度金曜にメールをしたら月曜に返信が来たけれど、担当者曰く土日はしっかり休めたらしい。良かった。
自宅にEnder2を導入しようと思ったけど、残留したら使わないし、迷っている。
ソフト形だけじゃなくてハード系もバランスよくやっていきたい。